総合化学メーカー様
「VCM排出量が90%以上削減できました」
塩化ビニルモノマーの排出削減
これまで塩化ビニルモノマーを含む排ガスは、活性炭を用いた温度スイング式吸着設備(TSA)で吸着回収処理を行ってきました。活性炭は吸着熱が大きいため、希釈した大容量のガスを処理しなければならず、設備が大型で脱着時に多くの蒸気を使用することから消費エネルギーも大きく、また塩素による装置の腐食にも悩まされてきました。
装置の腐食対策と並行して代替設備について検討を進め、システムエンジサービス社の疎水性シリカゲルを吸着剤とした圧力スイング式吸着設備(PSA)がVCMの吸着に適用できる可能性を見出しました。 詳細検討の末に当プロセスにも適用可能と判断し、2011年度よりPSAを本格稼働させ、前年度比3,700トンの蒸気削減と吸着設備からのVCM排出量を90%以上削減することに成功しました。
塩ビ業界では燃焼に寄る排ガス処理が主流ですが、より環境負荷が低く、非常にコンパクトな排ガス処理装置を導入することができました。